17年間愛用のミュール

コートやバッグなら10年以上愛用し続ける人も多いだろう。しかし、サンダルとなると珍しいのではないだろうか。

1999年に買ったミュールをまだ履いている。ブランド物でも高級品でもない。

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蛇柄でクロコの型押し。一目で気に入った。イタリア製で確か1万6千円くらいだったと思う。値段の割にしっかりした作りで、中敷きも革だった。デザインも好きだが、とにかく履きやすいのだ。くるぶしのあたりまで甲がぴったりと支えられ、サンダルとは思えない安定感。つま先部分は余裕があるので指が擦れることもない。底も適度に厚く、長時間歩いても疲れない。

私は合う靴が少なく靴選びには苦労しているので、履きやすい靴に出会うとなかなか手放す気になれない。このミュールも修理を重ね、修理代は元の値段をはるかに超えている。歩くときに折れ曲がる革の部分が内側から擦り切れてきたときは、革を本体(底の部分)から剥がし、解体して直してもらった。これはかなり日数がかかった。ただひとつだけ残念なのは、前回中敷きを替えたとき、革のがなくてビニールになってしまったこと。素足で履くうえに、甲に深く密着するので汗をかくとビニールの中敷きでは不快だ。そのせいで最近はあまり頻繁には履かなくなってしまった。

同じ服や靴を15年以上愛用するなど若い頃は想像もできなかったが、今ではそのような物がいくつかある(高価な物は皆無)。考えてみると、そのどれもが私には珍しく一目惚れし、ちょっとドキドキして手に入れた物だ。「買うかどうか迷うくらいの物なら買わない」のが私にとっては正解なのだとつくづく思う。