丁寧さやへりくだりを装う喋り方が気持ち悪い

21世紀になってからだろうか、公の場でよく耳にする話し方がある。ほとんどの場合に不要な「~させていただく」などの言葉を語尾に付け加える話し方だ。この、過剰に気持ちを込めたり丁寧な印象を与えようとする態度がエスカレートしていて、イライラさせられる。

 

地元のローカル番組に出ている気象予報士で「気温が上がってくれません」「暖かくなってくれます」といった表現を連発する人がいる。天気が何かしてくれるって、どーいうこと?”皆さんの気持ちを代弁してますアピール”が鼻について、チャンネルを変えたくなる(家族が見ているので変えられない)。普通に「気温が上がりません」「暖かくなります」と言わんかい! 

 

以前、あるベテラン気象予報士が新聞のコラムか何かで「雨も必要だし、天気に”良い”も”悪い”もない。だから私は”良い天気”、”悪い天気”という言葉は使いません」というようなことを書いていた記憶がある。気象のプロならそういう態度でいてほしいものだ。視聴者が知りたいのは天気であって、予報士の気持ちではない。

 

たぶんテレビ局が気の利き過ぎるタイプの人を好んで採用するからこういうことになるのだと思う。気象予報士も、採用されるために他の人と少しでも差をつけようと競う中、視聴者に対する忖度地獄や媚び地獄に陥っていく。少なくとも、業界のことを何も知らない素人の私にはそんな風に見える。そしてそんな態度や言葉使いをテレビで見続けた人達も次第にその影響を受けていく。 

 

これもテレビの影響だと思うが、”~させていただく”の氾濫も、ほんっといい加減にしてほしい。「値下げさせていただきました」とか、お願いだから単に「値下げしました」と言ってくれ!つい先日も、テレビで紹介された蕎麦屋の主人が「手打ちでやらさしていただいてます」と噛みながら言っていた。「手打ちです」で十分だろうに。

 

料理の材料を「切ってあげる」「茹でてあげる」など、”~てあげる”という言い方も、料理を教える人達の間で瞬く間に広まった。材料の方では、別に切ってほしいとも茹でてほしいとも思ってませんよ、たぶん。

 

周りの顔色をうかがい、(形だけ)へりくだったり、丁寧風(丁寧ではない)な言い回しをしたり。あるいは単にみんながそういう話し方をするから自分も、という。この気持ち悪い国民病は悪化する一方なんでしょうかね。。。