38年振りにピアノを調律してもらった

二カ月ほど前、突然ピアノを再開した。高校3年になる前に先生につくのを辞めてからは、数年に一度ちらっと触る程度にしか弾いていなかった。それがどういう風の吹き回しか、最近は毎日少なくとも1時間は弾いている。そうすると、音の出にくい鍵盤や変な響きの鍵盤があるのがどうしても気になり、長年放置していたピアノを思い切って調律に出すことにした。

 

札幌市内の調律の料金相場を調べると、アップライトピアノで大体11000円から14000円。5年以上調律していない場合の追加料金は2000円とか、1年につき1000円(これは無理!)とか、はたまた上限が明記されていたり、いろいろだ。出張料金は無料というところが多いが、遠いと気の毒なので、比較的近くで料金設定がわかりやすかった所に電話してみたところ「部品を交換しなければならない場合があるので、見てみないことには。。。」とのこと。やっぱりそうだよね。でも極端に高くはならないということなので、お願いすることにした。

 

昔は母が調律の手配などすべてやってくれていたので、ピアノの中にこんなカードが入っていることも知らなかった。

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最後の調律は昭和55年11月18日になっている。このとき、もうピアノは辞めていたのに調律に出している。レッスンは辞めてもまだ弾くことがあるだろうと母は思っていたのかな。。。

 

納入調律が昭和44年9月12日。小学校1年生のときだ。それまではオルガンを習っていて、1年生からピアノにしたのは覚えている。でもピアノが来た日のことはまったく記憶にない。なんでも忘れちゃう人だけど、私がねだって買ってもらったはずなんだから少しは覚えてろよ!この事に限らず、親がしてくれたことのありがたみがわかってなかったなあ。高校に入ってからはほとんど練習してなかったのに、なんとなく辞める決心がつかなくてだらだら続けていた。レッスン料をドブに捨てていたようなもの。親は何も言わなかったけど、申し訳なかったと今になって思う。

 

それはさておき。。。自分のピアノの中を見ることはめったにないので、調律の様子をガン見。

大掛かりな楽器だよね。

 

鍵盤によって音が出にくい原因が違っていて、この場で修理できるのとできないのがあるということで、できるのはすぐ直してくれた。ハンマー部分(アクションというのか?)スポッと簡単に外せるのね。

どうでもいいけど、部品の色がいちいち絨毯と同じ(笑)。

 

アクションを外して弦がむき出しになったところ。

 

フレンジコードという糸が切れている鍵盤があって、切れていないのもボロボロらしい。一度換えたら(私があまり弾かない人だからかもしれないけど)多分一生持つということなので、この際だから交換してもらうことにした。これは持ち帰って修理。部品を持ち帰ることなんてあるんだね。良心的な料金でやってもらえた。

 

自分の部屋に置いていながらずっと見ない振りをしている後ろめたさは自分で思っている以上だったのかもしれない。「ピアノ売って~ちょうだ~い!」という有名なCMも「使わないなら売りなさい」と痛い所を指摘されているのが居心地悪く、直視できなかった。調律を終えてピアノが息を吹き返したのと同時に私の中の罪悪感も消え、埃をかぶっていた宝物を再発見したようなウキウキ感が続いている。