地震から10日経った

お店の商品の品揃えもかなり回復し、以前と同じ生活に戻りつつある。

 

振り返ると、まず地震の24時間前の5日未明は台風による経験したことのない風におののいていた。家が揺すられ、屋根が丸ごと飛ばされるんじゃないかというような持ち上げ感。風が収まる4時頃まで眠れなかった。

12日に撮った写真。たぶん台風の被害。

近所の川沿いの公園の柳の木がほとんど全部倒れていた。桜は無事だったところをみると、柳は根が浅いのかな。ポプラとか、倒れやすい木というのがあるようだ。

 

翌6日の深夜3時過ぎ。私はベッドでまだ起きていた。長く激しい揺れに家がメリメリとねじれるような音をたてる。ゴンゴン、ガシャーンと色んな音がする。上半身を起こしたままベッドにしがみついていた(ベッドもかなりずれた)。後の報道によると、私が住んでいる区の震度は5強。でもウチの辺りは泥炭地だからもっと揺れてたんじゃないかと思う。

 

揺れが収まると下から母が私を心配して呼ぶ声が聞こえた。階下に行くと、食堂の食器棚の扉が開いて大量の食器が床に散乱していた。洗面所では細いキャビネットが斜めに倒れ、角が壁に突き刺さった形になっている。居間には背の高い家具がないせいか何も被害はなかった。まずテレビ(テレビは大きいのも小さいのも無事)をつけて、速報を見る。「停電じゃなくてよかったね」と言い合っていた矢先、消えた。。。慌てて懐中電灯(一階に2個)を出す。そして自分の懐中電灯を取りに二階へ戻り、ベッドサイドテーブルの一番上の引き出しに用意してある懐中電灯を探すが、焦っていることもあり手探りだと思いの外時間がかかる。懐中電灯を探すときって真っ暗なんだね。。。やっと手にした懐中電灯は電池切れで点かなかった。がっくり。

 

断水に備えてバスタブに水を張る(後で見ると茶色い水だった)。それ以外は真っ暗で何もできない。夜が明けるまではどうしようもないからとベッドに横になったけど、ドキドキして一睡もできなかった。

 

明るくなってから他の部屋も見て回ると、二階の納戸が一番酷かった。今の家には洗面所以外、背の高い家具はないんだけど、納戸には前の家で使っていたタンスや本棚が置いてある。それらが倒れてガラスが散乱していた。

タンスの上段が落下して、こけしなどの民芸品が散乱。

 

所々、壁紙が裂けているところがあった。これは階段の壁。

f:id:blackiex:20180917225601j:plain

 家がねじれるような音がしていたけど、実際ねじれてたんだと思う。壁の中、どうなってるんだろう。。。

 

私の部屋に置いているピアノは4本の脚が台座からすべて外れ、10センチくらい動いた。

f:id:blackiex:20180917225314j:plain

地団駄を踏んだような跡。こんな重い物が動くとは。すごい音がするはずだよ。。。

2階の方がダメージが大きく、和室の照明も落下していた。

 

まずは洗面所の倒れたキャビネットと食堂の割れ物の片付け。掃除機が使えないから、ガラスなどの破片を取り除くのが大変だ。次は自分の部屋。スリッパを履いて歩ける程度にガラスを集める。この辺で力尽き、納戸は翌日にしようと父と話す。すでに割れ物のゴミ袋がすごい量。

 

この日は数日前から体調を崩している母が病院に薬をもらいに行く日だった。北海道全体が停電というのはラジオで聞いていたけど、病院は近くだし一応行ってみたいと言うので車を出したはいいけど、信号機の消えた環状通りを渡るのは結構なスリルだった。当然、病院は真っ暗で(自動)ドアも開かない。

 

正直、停電はこんなに長く続くと思わなかった。それでも断水しなかったのが救いだ。水さえあれば、電気なしでも2,3日ならどうにかなる。食事はカセットコンロで調理(普段はIHなので)。冷凍庫と冷蔵庫の中の傷みやすいものから食べていくことにした。でもこの日はみんな食欲がなく、小食だった。飲料水と非常時用の食品はある程度備蓄があったけど、最後まで手をつけることはなかった。家庭菜園の野菜があったのも幸いだった。朝食用に前日夜からお米を水に漬けてあったので、土鍋で炊いたら好評だった(私は食べていない)。暗くなると洗い物もできないので、夕食は4時頃。

 

7時には寝た。少しでも灯りが欲しくてカーテンは開けたまま。後で新聞などいろんなところで読んだ話では、満天の星だったとか。見たかった~!寝不足だったからすぐ寝ちゃって、もったいないことしたな~。

 

この日は絶えず救急車のサイレンが聞こえていた。

 

翌、7日。ようやく家の外周りを見る余裕が。ぐるっと一周、かなり陥没している。

f:id:blackiex:20180917230400j:plain

上に写っている部分は家の壁の下部(コンクリート部分)。

f:id:blackiex:20180917230532j:plain

へこんでいる部分を踏むと、ずぶっと行く。

一番酷かった場所は見た瞬間、怖くて(写真を撮る前に)足で土を寄せて(笑)埋めてしまった。

 

納戸の片付けに着手。明るい時間帯しか作業できないのがやっぱり不便(窓が小さいし)。グラグラになったスチールの本棚は父が解体して廃棄。和タンスも崩れそうなのに、父は外れた引き出しを無理矢理戻して、落下した上部をまた上に重ねてしまう。余震でまた落ちてきたら危ないからと説得して下ろさせるのに2時間くらいかかった。父は耳が遠いので、説得するにも大声で話さなければならない。もうすぐ85才という年のわりにすごく力持ちで助かるんだけどね。

 

電気は午後7時前に復旧。ほっとしたのもつかの間、母が嘔吐。翌日病院が開くのを待つ。土日も午前中はやっている病院なので助かった。8日から昨日まで毎日点滴に通い、日によっては一日に二つの病院をはしご。そんなこともあって、家の片付けはなかなか進まない。 

 

片付けが納戸の次に大変だったのは私の部屋だ。ガラスの置物類が多いのは普段から気にしつつも、まあ大丈夫だろうと高をくくっていたら、全然大丈夫じゃなかった。ガラス以外はあまり物を出しておらず、比較的すっきりしているように見える部屋。しかし実態は、ウォークイン・クローゼットを物置代わりに何もかんでも詰め込んでいたのだ。おかげでクローゼットの中では三方(と上の棚)から崩れていて、ドアを開けたら雪崩のように物が飛び出して来て、唖然。

 

解体した本棚の本や雑誌のほとんどは捨てることにした。来月の資源回収日までに整理し終えなければ。ついでにクローゼットの中の物も思い切って減らす予定。要らない物を処分するいい機会だ。家の中の物、結構ごっそり減ったよ。

 

ひと息ついたら(今回は必要なかったけど)簡易トイレやLEDランタンなど防災用品を買おうと思っている。

 

余震は少なくなってきているけど、地盤が緩んだせいでトラックやバスが通っただけでもかなり揺れるようになった。家をこのままにしていて大丈夫なんだろうか。不安だわ~。