ピアノ再開後の壁 その①  4の指と5の指の衰え

ピアノを習っていた頃も下手だったとはいえ、技術的に当時と同じようにできることなど、今は皆無。それを克服していこうという気持ちは特になかったし、遊びで弾いているんだから別にいいだろうと思っていた。確かにそれでもいい。でも、できないことだらけだと弾きたい曲も弾けないから面白くない。何より、遊びでも真剣にやった方が楽しい。というわけで、少しずつ壁を崩していく意識を持とうという気になってきた。

 

いくつもある壁のうち、まずネックになっているのは4の指(薬指)と5の指(小指)の力が弱いこと。これはどんなにテンポの遅い曲でも気になる。特に右手は4の指と5の指が主旋律を担うことが多いし、和音も音の大きさが揃っていないと綺麗に聞こえない。意識しないで弾くと1から3(親指から中指)までの音ばかり目立ってしまう。 

なんとなくごまかせる曲もあるが、前に買ったバッハの「ピアノのための10の編曲」に入っている「シチリアーノ」でごまかしきれなくなった。 


別に好きな曲ではない。でもせっかく買った楽譜だから目当ての曲以外も何曲かは弾いて元を取ろうという(笑)。見た感じ、そんなに難しそうでもないし、と。 

 


Bach-Kempff - Siciliano from Flute Sonata No 2 BWV 1031

 

旋律をずっと主に4の指と5の指でレガートで(滑らかに切れ目なく)弾くには、4の指と5の指を鍛え直さなければならない。 

まずレガートのことは忘れて、とにかく旋律を際立たせ、1の指と2の指は小さく弾く練習。この時点でかなり苦戦。薬指と小指の力が弱く、強く弾こうとすると1の指と2の指まで力が入り、伴奏がうるさくなってしまう。どうにか少しましになったところで、今度はレガートにする練習。これも難しい。レガートにするには指が足りない!4と5の指に意識を集中していると、なぜか足の指まで「むぎ~っ」と丸まる。ピアノを弾いているのに足がつりそうになる。2週間くらい練習すると、足には力が入らなくなった(笑)。それでも結局レガートで弾けないところは右手の下の音を暇な左手に代わってもらい、妥協した部分も。例えば、この鉛筆で囲んだ音符↓

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そしてこの曲は、たまにあるフォルテとメゾフォルテ以外、ピアノとピアニッシモ。これ、私には無理。主旋律(4と5の指)をピアノで弾いたら、それ以外はもっと小さくしなければならない。あまり弱く弾くと”フカッ”という音の出ない状態(ピアノをやったことのある人ならわかると思う。グランドピアノだと、そうでもないのかも)になってしまい、これがストレス。だから全体的に大き目の音で。この点も妥協。

 

薬指と小指って、普段の生活でいかに使ってないかということだよね。もちろんプロのピアニストだって、小指より親指の方が力があるのは当然だけど。病気などで右手が使えなくなったピアニストのための左手用の曲がたくさんあるのに対し、右手用の曲が極端に少ないのは、旋律を4の指や5の指で弾かなければならないのが大変だかららしい。

 

好きな曲でもないわりに(右手ばかり)かなり練習した。昔は、好きな曲でも練習しているうちに「こんなつまんない曲だったっけ?」と嫌いになっていったものだけど(下手だからだと思う)、今回は練習しているうちに「そんなに悪い曲でもないんじゃない(上から目線)?」と、逆の現象が。昔よりずっと下手なのに。自分に甘くなったのかな。ま、褒めて伸ばすことにしてるんで(笑)。

 

以前、この曲がバッハの作品だと知ったとき「これがバッハ?バッハっぽくないなあ」と意外に感じたことを覚えている。だからこの楽譜の解説に 

”なお原曲(フルートソナタ)について、最近ではバッハの真作かどうか疑わしい、という説もある。” 

とあって、びっくり。素人の勘も案外馬鹿にできない? ”バッハ作ではない”に一票。