Blackmore's Night 2013年の英国ツアー その2. ~ ニューカッスル公演

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6月28日のニューカッスル公演の会場は、当時 Mill Volvo Tyne Theatre という名称だったが、現在は Tyne Theatre & Opera House となっている。その名のとおり立派なオペラ・ハウスで、内部は外観からは想像がつかない美しさだ。

Tyne Theatre & Opera House | Gallery

 

コンサートは8:40頃スタート。この日はハーディー・ガーディーではなく、マンドリン(?)を演奏。リッチーは相変わらず客ではなくキャンディスに話しかけ、それをキャンディスが「え?~ですって?」とか「彼が~と言ってます」とイチイチ通訳。まどろっこしいこと、この上ない。しまいにはキャンディスも面倒になったのか「もうマイクでしゃべったら?」と言ったので、みんな大喜び。彼は当然、プイって感じで無視。客は拍手と口笛でヒューヒュー、ピーピーと大盛り上がりの最中でも、リッチーがちょっとでも口を開くと、途端に水を打ったように静まり返る(ダンファームリンでも同じ)。

子供の話をひとつ。(13年6月現在)息子は14カ月だそうで、キャンディスによるとその子に言葉を教えるリッチーは「マーマー。ダーダー。(ビールを)一杯もらうよ( I'll have a pint, please)。」キャンディスのジョークです。

コージー(パウエル)の話も出た。「私たちが最後にコージーに会ったのはスウェーデンのフェスティバルで…」と言うと、客席から「デンマーク」との声が。さすが詳しいね、お客さん。ホテルの下でコージーが取材を受けているのをキャンディスが部屋の窓から見ていたら、コージーに向けてコップの水を落としている人が…。コージーが見上げたときにはキャンディスしかおらず…というリッチーのいたずら話だった。

後半で彼がストラトを弾きだすと、会場大興奮。ブラックモアズ・ナイトの曲なのに、総立ちで突如ロック・コンサートの乗りに。2曲やってから、ブラック・ナイトのリフをちょこっと。みんな「ウォーウォーウォ…」と歌いだしたが、リッチーはすぐ止めてしまう。キャンディスの「座って」の合図に、おとなしく従う観客。リッチーはステージ前方に膝をついて右手を高く上げる懐かしいポーズもあり、ダンファームリンより若干乗りが良かったような気がする。最後は昔と同様、前の方の客と軽く手をタッチ。アンコール2曲の後はメンバー全員で手をつないで挨拶。リッチーはさっさとはけて、キャンディスと他のメンバーはもう少しステージに残っていた。11時少し前に終了。

日本のリッチーファンの間では、あまり評判が良くない(?)キャンディス。歌手としては素人に毛が生えた程度だろう。ソルジャー・オブ・フォーチュンなんか歌うのはやめておけばいいのにと思う。しかし、ブラックモアズ・ナイトの曲なら、もっと上手い人が歌ったとしても大した違いはないのでは?という気もする(歌う人を選ばない歌というか)。人間としては、本当に忍耐強い人という印象を受けた。まあ、そうでなければあの人と長年一緒にいられるわけがない。ステージ上では、聞き分けのない幼児を懸命になだめすかして仕事させる母親のように見えた(笑)。確かにリッチーは”キャンディスに飼い慣らされて毒を抜かれた”のかもしれない。が、今のフォーク・トラッド路線(?)に関してはキャンディスのせいとは思えない。昔から音楽の方向性には節操がない柔軟な彼の中での自然な流れなのだろう。人が何と言おうと好きなようにやる、というところは変わっていない。

 

それにしても、キャンディスの英語があまり聞き取れなくて情けなかった(泣)。

~ いきさつ編に続く ~