それほどの意味ある? ~ ノーベル文学賞

そんなに本を読む方じゃないし、小説となるとなおさら。だからノーベル文学賞が発表されても大江健三郎のとき以外はいつも「それ誰?」レベルだった。そんな私でも作品を読んだことがあるカズオ・イシグロノーベル文学賞を受賞したので驚いた。ボブ・ディランといい、傾向が変わってきているのか。

 

読んだことがあると言っても「日の名残り」、「わたしを離さないで」、「忘れられた巨人」の三作品だけ。「日の名残り」(読んだのは20年以上前だ)と「わたしを離さないで」は面白いと思った。でも「忘れられた巨人」はピンと来なかった。2年前なのでよく覚えていないんだけど(1か月前だとしても、きっと覚えていない💦)たしか登場人物に関するほのめかしや伏線と思える部分を抱えてモヤモヤしながら読んでいたら、結局モヤモヤのまま終わった、という感じ。読み方が浅いのか見当違いなのか。文学の味わい方がよくわからない人間なので、なんとも。。。

 

私個人の読解力や文学的感性の乏しさはさておき、アートの評価は受け手の感性次第だ。名作だからといって、すべての人の心に響くわけではなく、十人十色どころか万人万色。だから、そもそも文学を含め芸術に対して賞を授けることに、すっきりしないものを感じる。埋もれてしまいかねない才能を世に知らしめるという目的ならまだしも、すでに十分評価されている人に授与する意味って何なのだろう。放っておいたって後世まで残るだろうに。

 

カズオ・イシグロノーベル賞だからといって特別な感慨はないんじゃない?村上春樹にしても、一部のファンとメディアがいつも騒いでる印象だけど、本人には毎年の騒動が迷惑なんじゃないの?よく知らないけどさ(笑)。

 

同じノーベル賞でも物理学とか化学とかの理系の分野なら、客観的な判断で世紀の大発見や画期的な研究を選ぶことで今後の研究サポートが充実したりと、大いに意味があるのはわかるんだけど。

 

ちなみに上に挙げた三冊の内、「わたしを離さないで ( Never Let Me Go )」だけは原書で読んだ。高校の英語の教科書でも使えそうな、平易な英語だった。英語は得意ではないけどカズオ・イシグロの本を何か一冊原書で、と思っている方は読んでみてはいかが?  

Never Let Me Go

Never Let Me Go

 

 

賞の類をありがたがり過ぎて周囲が騒々しいのは音楽業界も同じ。