私の”首こり”に効いたのは、これ!

とにかく首が痛かった。ビリビリとかズキズキという痛みではないが、寝ていても痛みがゼロにはならないのと、年々酷くなる一方で改善する見込みが感じられないのが精神的にも辛かった。7年ほど続いた痛みから解放されつつあると確信したときは泣きたいほど嬉しかった。 治ってみれば簡単な方法だったので、ひょっとしたら同じやり方で首の不調が治る人がいるかもしれない。発症から治るまでの過程を、長くなるが参考までに。

 

2009年の夏のある日、ひどい寝違えをした。首だけでなく腰から上の胴体が全く動かせなくなり、体が棒のような状態で数日過ごした。単なる寝違えだからと放っておき、2週間程度で大体動けるようになったが、これがその後何年も続く首の痛みのきっかけだった。

 

初めのうちは、台所仕事や机に向かったときにうつ向き加減(顎を引いた形)でいると首がこり、頭が重い感じがする程度だった。その症状が徐々に重くなり、立っていても座っていても長時間上半身を起こしているのが辛く、頻繁に横になるように(幸い私はフリーランサーで、家にいる時間が長いからこれも可能)。更には物を持つのが苦しくなって、スーパーなどにある空のカゴさえ持っていられなくなった。

 

頭の重みで首の神経が押し潰されているような感覚。首の後ろで手を組んでぐい~っと頭を引っ張ると気持ちいい。頭を常に誰かに持っていてもらいたい、という感じ。体操をしたり枕を変えたり、いろんなことを試したが全く効き目がなかった。

 

たぶん頸椎椎間板ヘルニアだろうと思い、わりと早い時期に整形外科で見てもらったが、「椎間板は若干擦り減っていますが年相応で、異常はありません。こういう痛みは自然に治ることが多いですよ。」と言われた。異常なしというのが納得いかなかったが、しょうがない。処方されたリリカという痛み止めは効かなかった。しかも妙な物忘れを頻繁にするようになり、怖くなって服用をやめた。母と叔母(母の妹)も「リリカを飲むとボケたみたいになる」と言っていたから、体質的に不向きなのだろう。

 

それ以降はいくつもの鍼、整体・整骨院巡り。「続ければ絶対良くなりますよ」と言われて回数券を買い長く通った所もある。が、施術直後は心なしか楽になった気がしても、会計をする頃には痛みが復活。他にはペインクリニックでブロック注射を打ってもらったり、首用のコルセットを作ったり。体にはほとんど触れずに”気”のようなものを注入(?)する所にも通った。どれも効果はなかった。持病で通っている内科で出してくれる経皮鎮痛消炎鎮痛剤を貼ると少し楽。でも貼った部分は何週間も日光に当ててはいけないとかで、夏は使えない。

 

一番効くと思ったのは温泉だ。家のお風呂でもある程度の効果はあるんだろうけど、首まで長時間湯舟に浸かっていると息苦しくなる。温泉の大浴場なら、空いている時間帯に行って、浴槽の端っこに頭を引っ掛けて上半身を浮かせた状態にしていれば、長時間入っていられる。休憩室で横になり、また温泉に入り、を繰り返している間は痛みがなかった。ただ、帰りの車の中で痛みが戻るのが常だった。

 

整骨院の先生によると、温めれば大抵の痛みは軽くなるそうなので、寒い時期は就寝時に”レンジでゆたぽん”(ジェル状の湯たんぽ)を首と肩の下に敷いてみた。これで寝ている間はずいぶん楽になったが冷めてくるのが難点で、後に貼るカイロをフリースのパジャマの上に付けて寝るようになった(火傷の危険があるので真似しないでください!)。こうしても、首も肩も全く温まっている感覚がなかった。手で首の辺りを触るとものすごく熱くなっているのに。どうやら患部の感覚がかなり麻痺していたようだ。マッサージでも、先生がゴリゴリに押しても何も感じないので「痛くないの!? ウンともスンとも言わないね」と不思議がられた。ちなみに治ってからは、カイロを当時のように貼って寝るなんて暑くて無理。変わるものだなあ。

 

こんな試行錯誤と並行して、CMによると肩こりに効くらしいアリナミンEX PLUS も飲み続けていた。そして1年半程前、行きつけのサンドラッグというドラッグストアでアリナミンEX PLUS を手に取って「効かないからもうやめようかな~」と考えていたら、薬剤師に声をかけられた。

「肩こりですか?」

「はい。」

「それ、効きますか?」

「全然効かないんですけど、もうちょっと続けてみようかなと思って。。。」

「こっちの方が効くというお客さんが多いですよ。」

そう言って薦めてくれたのは”ヘルビタ”という薬だった。CMで見たことがある”ナボリン”と同じ成分だそうだ。でも”ナボリン”よりずっと安い。正直なところ「似たようなビタミン剤を替えたところで。。。」と思ったが、せっかく薦めてくれたので取りあえず試してみることにした。そしてちょうど同じ頃、少し腰痛があったので叔母が薦めてくれたストレッチ・ポール(直径15cm)を買った。

 

この”ヘルビタ”と”ストレッチ・ポール”が効いたのだ。 

【第3類医薬品】ヘルビタS PB 60錠 ※セルフメディケーション税制対象商品

【第3類医薬品】ヘルビタS PB 60錠 ※セルフメディケーション税制対象商品

 

 

たまたま同時期に使い始めたので、片方だけの効果なのに区別がつかないだけの可能性もないとはいえないが、私は両方効いたと思っている。ヘルビタは服用を始めて二カ月くらい経った頃だったか「あれ?そういえば最近、首があんまり痛くない!」と気が付いた。それから半年くらい服用を続けて、ほぼ痛みが消えたので今は飲んでいない。台所仕事などで痛くなったらすぐにストレッチ・ポールを使う。

 

私のストレッチ・ポールの使い方は

・ストレッチ・ポールは横にして(体とクロス)その上に寝る(腕はバンザイ)

・上(首の方)と下(腰の方)へ転がしながら、背骨を自重で反らせる

・動かす範囲は肩から尾骨まで広く

・気持ちのいい箇所では気が済むまで止まっている

 

これを3往復くらい。5分もかからない。多いときは2~3時間おきくらいにやっていた。それでも全然億劫ではなかった。それどころか、これをやるとテキメンに楽になるので、やらずにいられなかった。私が気をつけているのは腰からスタートしないこと。特に腰の状態が良くないときは、いきなり腰の下にストレッチ・ポールを置いて寝ると痛い。それでも背中から始めて下に進むと体がほぐれて大丈夫なのだ(私の場合)。

 

首よりむしろ腰に即効性があるが(私の腰痛が軽いからかも)腰の場合はちょっとした不調時に。酷い腰痛の人には向かないかと。まあ、痛くてできないと思うけど。私は腰に違和感を感じたら、すぐにストレッチ・ポールに数分乗る。違和感程度の軽い症状のうちにやるのがポイント。

腰や首が痛いときでも背中がこったときも、その部分だけでなく、肩の辺りから胴体の一番下の尾骨の辺りまで広い範囲をやる。症状のある部分だけやってもダメ。当たり前だけど、全部つながってるということを実感した。できるだけ頻繁にやるのがいいと思う。でも普通の人は私みたいにいつも家にいるわけではないだろうから、朝起きたとき(体が硬くなっているので、ちょっとキツい)、帰宅後から寝るまでに数回だけでも違いはあると思う。ただ、神経に触れてビリっとくるような痛みがある場合はやらないでください。悪化しても責任持てません。

 

数カ月前に慢性的な首の痛みはなくなったが、今も肩甲骨辺りの凝りはあるので一日二回程度使っている。ヘルビタについては、アリナミンと成分を見比べても葉酸が入っていることくらいしか違いがわからなかった。葉酸が効いたとも思えないのでサンドラッグの薬剤師さんに訊いてみた。すると、成分表示を見ることもなく即答してくれた。ヘルビタ(ナボリンも同じ)のビタミンB12はメコバラミン。一方、アリナミンビタミンB12はシアノコバラミン。メコバラミンの方が約1.5倍吸収が良いということだった。素人には大きな違いに思えないけど、結局はその違いで効いたってことなのだろう。

 

今もときどき腰や首が辛くなるが、対処法がわかっているので気持ちが軽い。こりや痛みの原因は人それぞれで、何が効くかわからない。高野秀行の腰痛記も他人事とは思えなかった。著者には結局、水泳が効いた。私には効かなかった。 

腰痛探検家 (集英社文庫)

腰痛探検家 (集英社文庫)

 

 

ネットで見るとストレッチ・ポールにはいろんなのがある。今、初めてレビューを読んだところ、やっぱり何をやっても治らなかった肩こりなどが、これで治ったという人が結構いるようだ。私は近所のホームセンターの特売広告を見て1600円くらいで買った。突起のあるのも肩甲骨のこりに使ったら気持ちよさそう。

 

2021年4月21日追記 この凸凹タイプの、後で買ってみたがダメだった。互い違いにある突起が背骨に当たって痛い。使ってみないとわからないものだ。