スタインウェイ、恐るべし

この記事は2020年2月に書いた後で写真が表示されないことに気が付き、下書きのまま放置していたものです。

 

2月11日、札幌市教育文化会館での「ピアノ弾き比べ体験」という、スタインウェイ等のフルコンサートグランドピアノが試し弾きできるというイベントに行ってきた。と言っても、参加申し込み開始日は朝から用事があり、次の日に電話したらもう定員いっぱいで「弾き比べはできませんが、見学だけなら」ということだった。それでいいです。むしろその方がいい。最高級のスタインウェイに触れる機会なんてないし、弾いてみたい気持ちはすごくあるんだけど、人前でなんて無理。行ってみると、大ホールのステージ上にドーンと置いてある。ここで弾くの!?見学組でよかった~!

左から YAMAHASTEINWAY & SONS、KAWAI

 

まずピアニストの水口真由さんが解説しながら、3台で同じ曲を弾いていく。どうせ私には違いがわからないだろうと思っていた。が、聴いてびっくり!STEINWAYってすごいな。。。正直、YAMAHAとKAWAIの差は「まあ違うのはわかるけど」レベルなのに対し、対STEINWAYとなると、その違いは歴然。YAMAHAとKAWAIは速く弾いたときに音が団子になる感じ。が、STEINWAYだとどんなに速く弾いても音のひと粒ひと粒が際立っていて、音質も澄み切っている。悪く言えば金属的な音なのかもしれないが、そこは好み。

 

でもこれまで行ったコンサート(そんなに行ってないけど)で使われていたのも多分STEINWAYが多かったはずなのに、そこまで音質に感動しなかったのはなぜなんだろう。比べて初めてわかるってこともあるだろうし、音自体ではなく曲に意識が向いていたからかもしれない。ここにあったYAMAHAとKAWAIだって最高級のフルコンなんだから、単体で聴いたら感激する音質に違いないのだ。ピアノの先生の家や学校のグランドピアノでさえ、弾いてみると「やっぱりグランドピアノは違う」と思ったくらいだから。それだけに尚更、STEINWAYってどんだけ。。。と、しばし呆然。水口さんは「STEINWAYで弾くと上手く聴こえるので、ずっとこれで練習していると油断してしまって危ないかも」みたいなことを言っていた。なるほど。パウダースノーのゲレンデで滑るとスキーが上手くなったように錯覚するらしいのと同じか。

 

水口さんのミニコンサート(STEINWAY)の後、試し弾きのコーナー。まずは台が必要な子供から。最初の子は小学校一年生くらいかな。ブルグミュラー25練習曲の中の「アヴェ・マリア」。最初のYAMAHAではぐずって弾かなかったので、お母さんがステージに上がって来てからの STEINWAYでの演奏しか聴けなかったが、すごくいいと思った。1人1台1分の持ち時間で、すぐ「ハイ、次の方!」となる。が、次の人がどんどん来て3台重なって弾くという、まさかの展開。これじゃあ音の違いなんてわからない。弾いてる本人にはタッチの違いなんかはわかるだろうけど。。。がっかりして退出。

 

地下鉄大通駅のコンコースにも期間限定でスタインウェイのフルコンが置かれていて、一応自由に弾けることになっていたが、警備員はついてるは、見物人は遠巻きに見てるはで、よっぽど腕に自信のある人しか弾けない雰囲気。

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家具だと黒の艶消しってかっこいいと思うが、ことピアノとなるとピカピカのが好き。

以上が2年程前に書いた分。

この日(2020年2月11日)は確か雪祭りの最終日だった。時期的に中国人観光客が多い札幌ではすでにコロナが警戒されていて、ほとんどの人がマスク姿。私もずっと前から楽しみにしていたこのピアノイベントに行くことさえ躊躇したのを覚えている。しかし、まさか2年近く経つ今もまだこの状況が続いていようとは、当時は誰も予想しなかったよね。 

元ネタはこれか?

11月18日放送のNHK 「CLASSIC TV」 のテーマは Love BRASS だった。ゲストのARK BRASSの理想とする先達というのがフィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブル。

そこで紹介された P.J.B.E の VTR の中の一曲がブラックモアズ・ナイトの Crowing of The King の原曲であるスザートの曲だった。

 


www.youtube.com

ブラックモアズ・ナイトが使ったのは第1、2、4曲。リッチーはこれを聴いてスザートが好きになったのかも。

上のYouTube はどのCDなのかわからないが、とりあえず、これ↓には入ってるみたい。

 

同じ曲が入った別の CD のことを以前に書いたけど、P.J.B.E. の方が一般受けしそうだ。

 

今回の「CLASSIC TV」で印象に残ったのは、演奏もさることながら ARK BRASS のメンバーの話し方だ。それも口調というより発声の仕方。肺に溜めた息を一気に出さず、少~しずつ静かに出して話しているような。育ちの良さとか、担当楽器特有の演奏者の性格というのも、もしかしたら関係あるのかもしれない。が、金管楽器で音を出すときの繊細な唇の使い方や息の出し方が声を出すときにも影響するのかなと。なんて穏やかで品の良さそうな話し方なんだろう。

 

この2年程、家事と親の世話、親に加えて私自身も身体に色々とガタが来て3人分の病院通いなどで昼間はてんてこ舞いの忙しさ。夜にはぐったり疲れていてブログを更新する余裕がなかった。少しでも時間があるとピアノを弾く方を優先してしまったせいもある。ずっと家にいて、たまの会話はかなり認知症気味の親とだけ。このままだと言葉を忘れてしまうのではないかと不安になる。そろそろ自分の言語リハビリを兼ねて、ボチボチ書こうかと思っている。

なんだか落ち着かない今日この頃

父が脳梗塞の原因となっている心臓の手術を受けることが決まり、年明け早々外来での検査に次ぐ検査で1月はバタバタと過ぎた。本当は去年の秋頃にこの手術をする予定でいたのが、最後の最後に受けた心臓エコーの検査結果が思わしくなく、延期になっていたのだ。その後、改めてワーファリンの量の調整をして、ようやくゴーサインが出たというわけ。

 

それにしても、手術前の一連の検査項目の多さと言ったら。。。付き添うだけでもぐったり疲れるんだから、高齢の父の疲労はいかほどかと気を揉んだが、なんとか乗り切ってくれてほっとしている。父の話によると一番苦しいのが経食道心臓エコーだそうだ。更に今回は2回の検便のうち、1回分に血が混じっていたということで、胃と大腸の内視鏡検査も加わってしまった。

 

大腸の内視鏡検査では、ちょっとドキッとすることがあった。手術を受けるのは脳神経外科なのだけれど、胃と腸の内視鏡検査と口腔外科(口腔内環境も調べるのだ)は別の病院を紹介されていた。麻酔を使っての大腸の内視鏡検査が終わってリカバリー室で父が眠っているときに、看護師が私に「入院して手術になるかもしれません」と告げに来た。「この病院に、ですか?」と訊くと、そうだと言う。グーグー眠っている父は起こされて、診察を待つように促された。そしてまだ朦朧としてふらつきながらトイレに行っている間に呼ばれてしまい、順番を変えてもらった。「胃カメラのときは検査後リカバリー室で1時間休んで、それから診察まで2時間以上待ったのに、今回こんなに早く呼ばれるのは即入院だからなのか?」と不安になる。が、医師の話を聞くと「小さな良性のポリープがあるが、出血の原因ではない。取るのは心臓が良くなってから、1年後でも良い」ということだった(今は服用しているワーファリンの量が多いので、切除はしない)。看護師さん、驚かせないでよ~!検査をしたのと診察室で話をしたのは別の医師だったから、検査をした医師はこれが心臓手術前の検査だと知らなかったのだろうか。でもまあ、大事(おおごと)にならなくてよかったよ。。。

 

入院、手術の日程も決まり、あとはまな板の鯉。心配してどうなるものでもない。一カ月後に父が無事退院していますように。

積雪ゼロのクリスマス・イブ

24日の札幌の積雪はゼロ。観測初らしい。

 

きのとや本店の駐車場の木を利用したクリスマスツリーは派手なオーナメントがないところがいいんだけど、雪がなくてライトもついてないとただの木。

 

大竹製麺所へ年越しそば(冷凍しておく)を買いに行ったついでに、サッポロファクトリーに寄った。

広尾町のひろおサンタランドから寄贈された15メートルのトドマツだそうです。

初めてのニシン漬け作り

晩秋には両親が毎年ニシン漬けを作るのが恒例だった。10年程前だったろうか、母が材料を父に渡し、父が樽に詰めるといういつもの役割分担で作業していた二人。漬け終わったところで、母が塩と間違えて砂糖を手渡していたことが判明。材料を全部洗って漬け直しとなった。母は「手渡されたのが砂糖だと気付かない方が悪い」と開き直り。普段は怒ることのない父が珍しく怒っていた。その年の出来について母は「砂糖で作っても美味しかったよ。」と言っていた。しかしこの事件で嫌気がさしたのか、両親はそれ以来ニシン漬けを作らなくなったのである。

 

そんなわけで、私にとってニシン漬けは「親が作るもの」だった。買って食べるものではないし、自分で作ろうという気になったこともなかった。それが今年、作ってみる気になったのは、叔父が家庭菜園で作って時々持ってきてくれる大きな大根の消費が追い付かなかったからだ。大量の大根を使う料理は何かと考えていて「ニシン漬け!」ということになったのだ。母に材料の分量を訊いたが「そんなのは適当だよ」と言うのでネットで調べたが、家庭や店によって様々。塩の量は野菜と米麹の量の2.6%にすることにして、あとは適当。親が作っていた頃の三分の一くらいの量にした。作ったのは11月9日。備忘録としてここに書いておくつもりだったのに、ぐずぐずしているうちに大根が1本だったのと全部でおおよそ4kgだったこと以外、量を忘れてしまった。

 

メインの材料は 大根、キャベツ、人参、身欠きニシン(1~2晩、米のとぎ汁に浸してから鱗を取る)

他に 米麹、麹用ぬるま湯、しょうが、鷹の爪、昆布、砂糖少々(砂糖は入れないレシピもある。私は大匙1程を麹に混ぜ込んでみた)

写真では見切れていますが、キャベツは大量です。

人参、しょうが、昆布は千切り。鰊は腹骨を取った(柔らかくなるので取らなくてもよかったかも)。

 

野菜が4kgだと塩は100gちょっとになる。塩が少なくて不安。小さめの樽にビニール袋を入れ、大根→キャベツ→ニシン→人参→麹→大根…のように塩を振りながら順に重ねていく。

 

車庫に持って行って重石をした。一日経つと水が上がってきているはず。。。

 

翌日、様子を見てみると、思ったほど水が上がっていない。やっぱり塩が少なかったのかなと、大匙1杯分足した。すると、その次の日には水に浸かっていた。寒かったので氷が張っていた。

 

11月15日(6日目)。ちょっと早いけど出してみた。

私はこのくらいの浅漬けが好き。キャベツがザクザクしていておいしい。ただ、塩を足したのは失敗だった。母は「これから馴染んできて、塩気は気にならなくなるよ」と言っていたが、私にはちょっとしょっぱい気がする。後で叔母に話したところ、1日目で水が上がらなかったのは重石が軽かったせいではないかと。もっとぎゅーぎゅーに押していいらしい。

この日から毎日食卓に上がるように。親がすごく喜んで食べてくれて、作った甲斐があった。ボリュームがあるので、おかずが一品増える感じになるのも便利。ある程度嵩が減った10日目にジップロックに詰め替え、車庫から冷蔵庫の野菜室へ。

2週間くらいで食べ切った。後の方になるにつれて父は「だんだん旨くなってくるなあ」と言っていた。酸味が出てくるので、この辺はそれぞれの好み。

 

初めてにしては、まずまずの出来だった。来年も作ってみようかな。

暑さも寒さも気温だけではわからない

最高気温が氷点下の真冬日が続いている。今日も真冬日だったようだけど、晴れていたので昼間の家の中は暖かかった。私の部屋のベッドサイド(東側)に置いている目覚まし時計の温度計が32℃になっていた。暖房は入れていない。

暖かいとは感じていたけど、まさか30℃越えとは。温度計が壊れたのかと思った。

 

家の中は陽射しのあるなしで気温が全く違う。外気温がそれほど低くなくても、晴れていないと結構寒いし、今日のように晴れていればポカポカだ。外なら陽射しに加えて風の強さが影響する。昨日は確かに寒かったけど、今日は風もほとんどなかったので、外も短時間なら暖かく感じた。真冬日だからといって(体感として)寒いとは限らない。

 

暑いのがとにかく嫌いな私は、夏に32℃なんて気温になったら「キィ~~ッ!」て感じでイラついてくるし、それ以上になると怒る気力もなく、ぐったりするだけなんだけど、同じ気温でも冬なら「ポカポカして気持ちいい」となる。「冬の北海道のあるある」でよく言われる”半袖、短パン”姿などではもちろんない。ちゃんとヒートテックにセーターという冬装備なのに32℃を苦痛に感じないって、本当に湿度だけが原因だとは信じられないくらい不思議なのだ。

 

昨日、ローカルのテレビ番組の視聴者参加コーナーで「あなたの冬の楽しみは?」みたいな質問に「道外出身(場所は忘れた。横浜だったかな?)なので、寒くて楽しみはありません」と答えていた人がいた。そんなに寒いか?と私は思いましたよ。関東だって結構寒いって聞くけどね。特に家の中は。それに外は乾燥していて風が強いっていうじゃない?

なんか、東京オリンピックのマラソンの件で「いや、札幌だって暑いだろ」っていうのに似てきたな(笑)。暑いったって、東京の暑さとは違うわ!というのと同じで、道外出身の人も「ここまで寒くないわ」というところなんでしょうね。

ピアノ再開後の壁 その②  変化記号の多さにビビる

再開後というより、元々♯、♭(以下、変化記号)が多いのは苦手。楽譜で一番最初に目が行く部分だ。今は昔以上に「うっ」となる。それなのに、弾きたい曲に限って変化記号が多い。ほとんど手を付けていない昔の楽譜の中にいい曲があって、弾いてみたくなった。バッハの平均律ピアノ曲集1の中の Prelude No.8


楽譜は 

超スローテンポで、音も少ないので特に苦労しなかったし、指が覚えてしまえばどうってことない。でも久し振りに弾いてみようとすると、いつものことながら指が忘れてる。そういうときに譜読みをやり直すのが「あ~、またか。。。」って感じでうんざりなのだ。さすがに一からやり直すのとは全然違うけど、変化記号が少ない曲より脳の負担が大きい。

 

変化記号が多くても楽々弾けるようになる方法を説明しているサイトがあって、見てみたけど、私の頭では理解できなかった。私の場合はそのまま「ドとファが♯」とか、逆に上のような調だったら「ファ以外♭」と、曲に慣れるまでは常に意識しながら弾いている。もっと簡単な考え方が常識なんだろうか、と今になって疑問を覚えてきた。ピアノを習っていた頃、引っ越しなどで先生は何人も変わったけど、そういうことを教わったことはなかった。いや、先生が変わったからこそ、基本に穴があるのだろうか。でも変化記号が多い曲は嫌だと言っている人は多いしなあ。その証拠に、同じ教本の中にこんな曲があり

読譜を容易にするために」と、調を書きかえたものが巻末に加えられている。それがこちら

むむむっ。。。これ”容易”になっていると言えるのか?前者は「全部♯」で後者は「ドとファ以外♭」。どっちが楽かと言えば、私なら元の方が楽なような気がする。「この音を♯とか♭」と意識する以上に「~以外」というのが嫌なのだ。でも調の捉え方って本当にこんな幼稚なやり方でいいんだろうか、と元の疑問に戻る。う~ん。やっぱり先生についた方がいろいろ質問できるし、いいのかなあ。いや、そりゃあいいだろうけど、ハノンやらされたりしたくないなあ。しかしそれ以前に、先生についたりする経済的余裕なんてないのであった。