First Impressions Last Forever

私がリッチー・ブラックモアにはまったのが1977年。今年でちょうど40年になる。 

中学生だった私には、40年後にリッチー熱がここまで冷めているとは想像もできなかった。そのくらい、当時はリッチーに狂っていた。単に現時点での熱量で計れば、今の私は彼のファンと言えるのかどうかも怪しいが、今日はリッチーの72回目の誕生日ということで、40年前のある日突然リッチーにはまった、遠い記憶を掘り起こしてみよう。

 

初めてディープ・パープルの曲を聴いたのは、1976年。中学2年時の学校祭だった。3年生がステージ発表で演奏した印象的なリフの曲名をロックに詳しい友達に訊くと「ディープ・パープルのスモーク・オン・ザ・ウォーターだよ」と教えてくれた。後日、アルバムを買ったことをその友達に張り切って報告すると「 貸して!」と言われ嬉しかったが、それを知った他のクラスの人にも次々貸してと頼まれ、しばらく戻って来なかった。テープにダビングしてたからいいんだけど。レコードが高価だった頃。貸し借りはよくしたものだ。ほどなく「バーン」と「イン・ロック」も買ったように記憶している。

 

「マシン・ヘッド」は中毒並みに聴いた。曲が好きなだけで、メンバー個人に対する思い入れはなかったが、聴いているうちにギタリストだけはちょっと気になり始めた。見開きジャケットにレコーディング時のスナップショットがたくさん載っていて、「この人がギタリストのリッチー・ブラックモアか」とその写真の中からリッチーを探したが、ロジャーといまいち見分けがつかなかったりして(笑)。

 

ディープ・パープルもリッチーも、それ以前から音楽雑誌で見知ってはいたが、みんなまだ30才前後だったのにむさくるしい風貌で、中学生の私には遠い世界の外人のおじさん達としか思えなかった。実際、ミュージシャンも30を過ぎるとけっこうな年寄り扱いをされていた時代だった。

 

当時、いくつものバンドのミュージック・ビデオやコンサートの映像を一度にまとめて放映するフィルムコンサートというイベントがあった。東京や大阪などでは頻繁にあったのだろうけど、札幌では年に数回だったように思う。今の若い人にはわからないだろうが、洋楽の動画をテレビで見る機会などほぼ皆無。ロックの情報は音楽雑誌と(私の場合は渋谷陽一の)ラジオ番組からしか得ていなかった。フィルムコンサートはミュージシャンの動いている姿を見られる唯一の機会だった。

 

パープルの映像を初めて観たのは、中3のときに友達と行ったフィルムコンサートでのこと。この頃でも、私の目当ては日本でアイドル的な人気があったキッスとかクィーンだったはず。が、会場を出る時にはリッチーのファンになっていて、完全に目がハート(死語?)だった。この時観たのが1974年のカリフォルニア・ジャムだった。

 


大観衆にご満悦の薄笑い ↑

 

それほどの期待もなく観た映像だったのだが。。。

 

何が良かったのか?伝説のライブと認識されているくらいだからいいのは当たり前として、当時の私が具体的に何に惹かれたのかははっきりとは覚えていない。ま、たぶんリッチーの”雰囲気”でしょう。「カリジャム観て雰囲気って。。。」と言われそうだけど、筋金入りのミーハーなので、演奏云々でないことは確かだ。普段着ている黒いベルベットのジャケットのままステージに上がったのもよかったし、風もないのにフワ~ッと揺れる薄い髪も凄味があって良かった。そして、マネキンのようにぴくりとも動かないかと思えば、ステージ上のテレビカメラにギターを叩きつけたりという振り幅の大きさと得体の知れなさに引き込まれた。

 

ずいぶん後になって自覚したのは、私はゴシック的な雰囲気が好きだということ。当時のリッチーはゴシック(いわゆる”ゴス”と違い、意識的に作り込んではいない)っぽかったのだ。中世・ルネサンス、心霊研究、古城好きという趣味嗜好が見た目や雰囲気に滲み出ていた。そしてこの日のリッチーが彼のイメージとして私の頭に刷り込まれてしまったのだった。

 

以来、髪が増えても、変な服を着ていても、アメリカを意識した曲をやるようになっても、性格が丸くなっても、おじいさんになっても、常に私の目にはカリジャムのリッチーが重なって見える。まさに、First impressions last forever。第一印象、恐るべし。

 

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昔、部屋に貼っていたポスター。好きすぎてポスターを写真に撮った(笑)。なのに、30数年前の引っ越しで行方不明に(泣)。 著名人の写真をブログに載せるのはNGらしいけど、部屋のポスターを貼った壁を写したってことで、見逃してほしい(これだけYouTube 貼っておいて今更だけど)。